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日本行為依存症医学会の基本理念(4本の柱)


基本は診断、回復(治療)、予防(ケア)、育成の4本の柱で構成しています。

 依存症に携わる医師やパラメディカル、そして更生施設の方々や啓発活動をする方々が4本の柱を基に連携しあい、その中心にいる依存症患者本人やその家族をサポートできる体制にします。

そうした体制により、行為依存症のすべてにおいて診断からケアまで包括できる組織を確立することを目指しています。

理事長就任のあいさつ


 2016年12月にIR推進法(統合型リゾート(IR)整備推進法)が制定されました。

 日本は他の先進国に比べ、ギャンブル依存症の比率が高いといわれています。IR推進法の制定に伴い、ギャンブル依存症対策が喫緊の課題となっております。もちろん今までも精神科専門医による診断・治療や更生施設での回復・予防、あるいはギャンブル依存症の認知について啓発活動団体等が発信し色々と行われてきておりますが、数が圧倒的に少ない状況です。そして依存症患者の周囲の人々の依存症に対する知識や認識がなく(一般の方が知らないのは当たり前ですが…)、依存症専門にする医療機関を受診するケースが少ない状況でもあります(依存症本人は病識のない方がほとんどですので、周囲の方が気づかないとまず医療機関や啓発活動団体に相談することはありません)。

 昨今ギャンブル依存症関連の学会が出てきており、当学会もその一つです。当学会の目的は潜在的にいるギャンブル依存症患者の回復(治療)・予防をし、最終的には「依存症をなくし家族の幸せのために」です。その目的のためには他のギャンブル依存症関連学会や更生施設、あるいは啓発活動団体と連携をとり協力し、そして当学会自身もしっかりとした基本理念や構成がなければその目的達成は成し得ません。当学会は1.診断、2.回復治療、3.予防(ケア)、4.育成の4本の柱を基にそれぞれの柱が相互する形でギャンブル依存症の診断からケアまで包括できる組織体制にします。

 ギャンブル依存症を治療していく上で必要な精神保健福祉士(PSW)は全国にいますが、依存症への関わりが弱く感じます。当学会を通して依存症へのPSWの関わりを強くし活性化・役割向上を目指して育成に取り組み、学会の4つの柱の1つに掲げています。

 当学会は「行為依存症」の学会であり、ギャンブルだけでなくスマートフォンやゲームの依存症についても取り組む所存です。

「依存症なくし家族の幸せのために」の目的達成のためには行為依存症にかかわる人々の沢山の縁を大切にし、行為依存症患者やその周囲の人々にはなくてはならない存在なるよう微力ながら職務に邁進致します。今後も更なるご指導ご鞭撻を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。


一般社団法人 日本行為依存症医学会 理事長